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2013年10月 2日

虫歯(軟化象牙質)と正常な部位の鑑別  広島市 アルパーク歯科の場合

アルパーク歯科では、虫歯(軟化象牙質)と正常な部位の鑑別は、主にう蝕検知液と硬さによって行います。
う蝕検知液は、虫歯の場所が色で示され分かりやすいので、治療者にとって、とても使いやすいものです。

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また、う蝕検知液は、患者さんにも良いのです。当院では、治療前、治療中、治療後の写真を、何十枚も撮影し、治療後に患者さんに見ていただいています。
う蝕検知液に染まった虫歯の場所は、赤く染色されていますので、患者さんにも分かりやすく、虫歯が確実に除去できたという証明になります。
虫歯を確実に取りきったという事が証明されるので、気持ちがとてもすっきりしますね。
 


虫歯(軟化象牙質)と正常な部位の鑑別
1、 う蝕検知液で、赤く染まるか、染まらないか
2、 エキスカベーターで、削れるか、削れないか
3、 先の尖った針(探針)で刺してみて、柔らかいか、硬いか
4、 ラウンドバーを極低速で回転させ、削れるか、削れにくいか
5、 経験による判断
以上が、虫歯(軟化象牙質)と正常な部位の鑑別の際に、大切になります。

注意点 
1、 茶色く変色した象牙質が、すべて虫歯ではない事。
2、 第2象牙質は、う蝕検知液に染まってしまう事。
3、 逆に、う蝕検知液に染まらない場合も多い事。
4、 虫歯が深い場合は、う蝕検知液の赤色と、神経の赤色が、混同しやすい。
5、 深い虫歯は、一度で処置しようと思わない事。

以上が、虫歯と正常な部位の鑑別の際、より細かく見ていく時、必要になる事項です。
ページ最下部に、上記注意点の解説をしておりますので、ご確認ください。
注意点の解説は、文字ばかりですみません。


虫歯(軟化象牙質)と正常な部位の鑑別について
1、う蝕検知液で、赤く染まるか、染まらないか

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この歯の銀歯が外れていたのです。中は大きな虫歯でした。
神経を取らないで済むように治療しましょうという事になりました。

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先端がスプーンのような器具で、虫歯をだいたい取り除きます。
軟化象牙質を取り除く器具は、スプーンエキスカベーター、単にエキスカベーター(エキスカと言います)であったり、回転切削器具のラウンドバーを使ったりします。

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こんな感じで虫歯がごっそりと取れてきます。

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決して無理をして、神経ぎりぎりまで、虫歯(軟化象牙質)を取ろうと思ってはいけませんね。
このような大きな虫歯の場合では、虫歯と正常な部位の鑑別が大切になってきます。
虫歯と正常な部位の鑑別をないがしろにすると、やみくもに軟化象牙質を取り、神経をダメにする事になってしまいますし、神経が生きていても、治療後に冷たいものがしみてやりきれないなどという事になったりします。
軟化象牙質の下層では、虫歯菌がおらず、カルシウムが溶かされているだけという軟化象牙質層があります。ここは、再石灰化が起こるかもしれない層ですので、再石灰化をうながす処置が必要になります。
ここで気を付けたいのは、この再石灰化する、カルシウムが溶かされているだけの層というのが、明確に分からないという事です。う蝕検知液の有効性も知っていますが、無効性も知っています。う蝕検知液の結果だけという単純な判断はできません。また、再石灰化の可能性があるが、100%再石灰化するものでもないという事もあります。
取らないといけない軟化象牙質なのか、取らない方が良い軟化象牙質なのか、虫歯(軟化象牙質)と正常な部位の鑑別が大切になります。これは、どの機械を使うと良いなどという問題ではなく、目に見えないノウハウの部分です。
このノウハウは、理念に乗っかっていることが一番大切で、歯をどう治したいのかという根本的な理念の延長にあるものです。理念が曲がっていると、曲がったノウハウになります。
このような理念の元に治療を行いますというやり遂げたい理想があり、それを実現するための色んなノウハウであり、機械類です。
理念がはっきりしていると、そのためのノウハウもいろんな工夫をして編み出しているはずです。

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う蝕検知液で染めだした虫歯(軟化象牙質)。
う蝕が残っている部分が、くっきりと赤く染めだされています。
これがう蝕検知液による、虫歯(軟化象牙質)と正常な部位の鑑別方法です。
非常に分かりやすく、処置も容易です。

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これは間接覆髄剤です。HYCというセメントも良く使います。
このあと、セメントで仮のふた(仮封)をして、数か月様子をみます。

間接覆髄剤は、HYCはとても有効です。他に、ドックスベストセメント、MTAセメント、多種の水酸化カルシウム製剤、単にグラスアイオノマーセメントが有効な事もあります。
単にどのセメントを使えばよいという問題ではなく、どう使うかというノウハウが大切ですね。詳細の公表は控えさせて頂いております。


虫歯(軟化象牙質)と正常な部位の鑑別について
2、エキスカベーターで、削れるか、削れないか
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こんな虫歯です。エキスカベーターを使えるように、入り口を開けます。
入り口は硬いエナメル質ですから、エキスカベーターでは削れません。
ダイヤモンドポイントという1分間に数十万回転する器具を用います。
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エキスカベーターを、軟化象牙質の下に差し込みます。

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軟化象牙質がドンドン出てきます。まるで耳垢のように、取れてくるのです。

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ある程度取れてきたら、除去された軟化象牙質の茶色が薄くなり、象牙色になってきます。
だいぶ軟化象牙質が取れてきたことが分かります。

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奥に濃い茶色の部分があります。神経に近いのでこれ以上触りません。
暫間的間接覆髄法をおこない、数か月後に、内部の虫歯を再度除去してから、最終的な充填を行います。

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これが間接覆髄です。この薬が、軟化象牙質のうち、再石灰化する部分を再石灰化させてくれ、結果、神経を守ることになるのです。

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コンポジットレジンによる仮封です。この状態で数か月待ち、内部の再石灰化を期待します。
仮封ですが、最終充填物と言っても遜色ないと思います。
色が合っていないように見えますが、歯は乾燥して、歯の色の方が白くなっているだけです。
治療が終わり、しばらくすると、白っぽさが少なくなり、充填物と歯の色は合ってきます。


虫歯(軟化象牙質)と正常な部位の鑑別
3、先の尖った針(探針)で刺してみて、柔らかいか、硬いか
4、ラウンドバーを極低速で回転させ、柔らかく削れるか、硬く削れないか
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このような大きな虫歯です。

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土台(レジンコア)を取り除いた状態です。

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エキスカベーターのエッジが、簡単に軟化象牙質に食い込みます。

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表面からすくいあげる様にして、軟化象牙質を取り除きます。容易にボロボロと軟化象牙質が取れてきます。

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だいたいう蝕を取り除いた後で、う蝕検知液を使って、残っているう蝕を明らかにしていきます。


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まだまだう蝕が残っています。

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ラウンドバーの極低速回転でう蝕を除去する場合もあります。
何でも一つの道具でできるというものではなく、場所によって道具を取り換えて行います。

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う蝕検知液で検知できる虫歯は取り除けました。
これで安心してはいけないのです。


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先の鋭い針(探針)ですべての根面を探っていきます。
う蝕検知液で染まらない、軟化部分を発見するためです。


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すべての根面の検査を、鋭い特別な探針を用いて行っています。
非常に時間がかかりますし、労力もかかります。
神経とすでに取ってしまっている。根面虫歯もある。そんな歯を、どうにかして、長持ちさせようと思うと、色んな事を考えてあげて、色んな工夫をしてあげる必要がありますね。


虫歯(軟化象牙質)と正常な部位の鑑別について
その他、窩洞形成だけで済むこともあります。

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不適合なコンポジットレジン充填をやりかえ、きれいに充填しましょうという治療です。

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色を着けてみますと、不適合がどれほどか、よく分かります。
大事な前歯ですので、きっちり治療を行いましょう。

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20万回転位で回転するハンドピース(5倍速コントラアングルハンドピース)にダイヤモンドポイントをつけ、充填物を取り除きます。
隣の歯を傷つけないように、注意します。

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エナメル質は硬いはずですが、白濁している部分は、びっくりするほど柔らかくなっています。そこには接着剤が接着しませんので、慎重に白濁部分を取り除きます。

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う蝕検知液を塗ります。

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赤く染まった軟化象牙質は見当たりません。窩洞の完成です。
今回はエキスカベーターなどの出番はありませんでした。
浅い窩洞では、こんな事もあります。

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充填後です。
染色液を塗っても、どこにもギャップはありません。どこにも浸み込みません。

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もちろんフロスも全くひっかかりません。
これで、大事な以下の2点がクリアされました。
1、 内部に虫歯が残っていない事
2、 外から菌や唾液が浸み込まない事
これで、お手入れしていただくと、サッと菌が落ち、歯は長持ちするでしょう。
よかったですね!

注意点の解説
注意点1
虫歯を除去する際に、象牙質の色を基準にして歯を削ると、削りすぎて、あっという間に神経まで穴が開き、神経を取らないといけなくなります。(抜髄)
軟化象牙質を除去していくと、茶色だった虫歯の穴(窩洞)が、多くの場合、きれいな象牙色になっていきます。しかし、これは虫歯が除去された結果であって、色のついた部分を取り除くという事を目的にしてはいけない事に注意する必要があります。
軟化象牙質を取り除いておけば、多少の着色は無関係で、覆髄を行い、最終的な修復物をすると、何の不都合もなく、長持ちしています。
もし、私の歯を治療する時も、削りすぎるより、神経を温存させ歯が長持ちした方がいいので、色だけを基準にして、歯を削りすぎる事は、して欲しくありません。


注意点2
第2象牙質とは、神経が虫歯から身を守るために、新たに作った象牙質の事で、う蝕ではありません。構造が粗造であるために、う蝕検知液に染まりやすい特徴があります。こういうケースは、虫歯が深いときによく見かけます。
この場合、う蝕検知液の色だけを基準にして、あまり考えずに削ってはいけません。第2象牙質がある場所は、神経まで近くなっている事がほとんどだからです。薄皮一枚隔てて神経があるという事もあります。
どこの歯医者さんでも行っている虫歯の治療ですが、治療水準を高く行おうとすると、う蝕検知液だけに頼った方法では、とても無理です。経験がいりますし、マイクロスコープで拡大して良く見て、詳細に検討する必要があります。


注意点3
根管治療をおこなう際、最初に根面の虫歯を除去していきます。う蝕検知液を使ってう蝕を完全に除去でき、次の操作に移る際、念のためと思って、軟化象牙質が残っていないか、鋭い針(探針)で象牙質を確かめました。すると、多くの場合で、う蝕検知液に染まらない、軟化象牙質が探針で触知されたのです。
今度は、探針で硬さを確かめながら、ラウンドバーで軟化部位を除去するという、とても細かい処置になります。ある程度から先は、う蝕検知液は頼りにならないのですから、マイクロスコープで詳細に見ながら、根面全体について、いちいち探針で硬さを確かめながら処置を行うことになります。30分や1時間程度の治療時間では、とても無理なことが分かります。
以上の事を知らないで、土台(コア)を立てたり、冠を被せたりしても、虫歯の再発は必至です。柔らかくなっている象牙質(軟化象牙質)に、接着剤で冠を被せても意味がありません。軟化象牙質は、文字通り柔らかいので、硬い冠に接着したとしても、軟化象牙質は硬化するはずもなく、柔らかいままですから、ここから虫歯が再発というか、脱灰が広がっていきます。(脱灰=カルシウムが抜け、タンパクだけが残る事)
ですから、う蝕検知液だけを当てにせず、自分の手で探針に力を入れ、くまなく探ってみる必要があります。そこまで確かめないと、安心して充填や冠を被せたりできませんね。


注意点4
大きな神経(歯髄腔が大きい)だと、神経の血液の赤い色が透けて見える事も良くあります。
小さな神経(歯髄腔が小さくなっている)だと、赤い神経がはっきり見えない事もあります。
また、う蝕検知液は、赤いので、神経の赤みに気が付かないこともあります。う窩が深い場合は、神経の赤さと違う色のう蝕検知液、青や緑を使い、抜髄にならないよう、慎重にう蝕を除去します。


注意点5
虫歯が神経に近づいている様な、深い虫歯の場合は、無理をして1度の治療で、完全にう蝕を取りきろうと思ってはいけません。治療後に、水などがしみて、食事やうがいなど、とても大変になり、日常生活が障害されます。
暫間的間接覆髄法(ステップワイズエキスカベーション)という方法があるわけですから、それを行えばよいのです。
最初に、ある程度までのう蝕を除去し、神経に近づきすぎないようにします。間接覆髄剤を敷き、セメント仮封するなどします。数か月(3か月から半年)待って、仮封と覆髄剤を除去し、残った軟化象牙質を取り切ります。また、軟化象牙質であった場所が、間接覆髄によって硬化するという効果もありますから、それを確かめ、最終的な充填などに移ります。
最終的に充填をしてもよいと判断されるまで、この処置を数回繰り返すこともあります。
このようにすれば、治療後に水などがしみて、とても困るという事がなく(多少はあるかも知れませんよ)、神経も温存できる確率がぐんと高まり、歯の長持ちに貢献できると言うものです。
こんな事もあります。保険では(10年以上前の事しか知りませんが・・・)、1回で終わらせる治療は点数が高く、回数がかかる治療法は、点数が低かったと思います。このような事では、歯科医の思考回路が知らない間に誘導されて、できるだけ短い回数で治療を終わらせるような、反射的判断になっていくと思います。
一度でできるだけ虫歯を多く取り、早く治療を終わらせるようになります。
一度、間接覆髄して、二度目に内部の虫歯を取りきる。それから最終的な充填に移るという回路が妨げられてしまうのです。
歯医者さんはそれでいいかも知れません。でも患者さんは、歯がしみて大変です。困ったものですね。

最後に、虫歯(軟化象牙質)と正常な部位の鑑別などについて


当院では、以上の様にして、軟化象牙質を取り除き、虫歯の治療をしております。
マイクロスコープも、ラバーダムも、エキスカベーターも、う蝕検知液も、鋭い探針も、ラウンドバーも、それぞれが必要で、どのように治療するかという理念と、経験と、頑張りも必要です。


虫歯(軟化象牙質)と正常な部位の鑑別のための数々の機器
多くの機器があります。
必要であればすでに導入しています。
ダイアグノデントなど、導入していない機器類は、当面必要でない、または、同じ事が他の方法でもできるのに費用が掛かりすぎるなどの理由です。
医療用の機械類は、ものすごく高価ですから、圧倒的な利用価値があれば、無理をしてでも購入します。
圧倒的な価値がない場合は、患者さん受けが良いだろうなどという理由でどんどん購入していくと、経費ばかりかさみ、結局治療費に盛り込まざるを得なくなります。治療費が高くなりすぎ、治療したくてもできなくなります。
ですから、有効な手段、機械類は、理念に基づいて、必要なものはすでに導入しています。
その他の、多くの機械類について、個別に未導入理由を述べる事は、時間の無駄ですので致しません。ごめんなさいね。
う蝕内部の虫歯(軟化象牙質)と正常な部位の鑑別については、以上の通りです。

う蝕の除去に関して。
カリソルブなども、薬剤で柔らかくし、溶かして除去するというシステムもあります。
溶け落ちた軟化象牙質は、それはそれでいいと思います。
しかし、窩洞に付着している流れ落ちなかった軟化象牙質は、結局、エキスカベーターなどで除去せざるを得ません。
ですから、以上の様に、総合的にアプローチして良い結果が得られるわけですから、ある一つの機械を使えばうまくいくという事ではない事がお分かりいただけると思います。


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アルパーク歯科・矯正歯科 院長 亀田浩司

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